ファイナルファンタジー(原題:Final Fantasy: The Spirits Within)
世界的に有名なゲームの映画化なんだけど、これ、どう考えても別モノ。
何も知らされずにこの映画の本編を観せられて、さて何のゲームの映画化だってでしょうか?と聞かれて答えられる人は恐らく1人もいないでしょう。登場人物にシドという名の人物がいる辺りがファイナルファンタジーらしさの最後の欠片のつもりでしょうかね。そもそもゲームの方も、「ファイナルファンタジー」という名に反して7作目辺りからはちっともファンタジーではなくなって、もう何がなんだか分からないのですけどね。
さて、映画の成り立ちは良いとして、本編の方なのですが、これも全然面白くない。
まず最大の観処はフルCGによるリアルな映像なんでしょうね。確かに見事なCGでした。しかし、そこにちっとも魅力を感じられないでのです。リアルさへのこだわりが妙な方へ行ってしまったのか、登場人物達が皆美形ではないのです。映画というものは、非日常を描く事も多いですが、実話や実際にありそうな出来事を描く場合も多々あります。これら2つのパターンに共通して言えることは、出演者が皆プロの俳優であり、少なからず美形なのです。格闘ゲームを例にしても良いですね。華奢で可愛い女の子が屈強な男と対等に闘うのです。映画は出演者だけで観客を稼げるものですし、ゲームでも「萌えキャラ」がいればそれだけでユーザーを稼げるものです。しかしこの映画は登場するキャラクターでは到底観客を稼げません。その時点である程度の負けが決定していた気がします。
また、ストーリーも、突如映画の世界に投げ込まれ、観客は何がなんだか分からないまま物語りが展開して勝手に終わります。しかも、ゲームの世界ではある程度セオリーとされている点に関しては何の解説も無し。映画として難ありですよね。
この映画、結局大コケに終わり、ついでにスクウェアの映画製作チームはこの作品を世に出しただけで解散してしまいます。
でも、敗因ははっきりしているわけですし、素晴らしい技術力や、ゲームでは失敗しないストーリー力も持っているはずです。ゲームの「ファイナルファンタジー\」みなたいな映画を作れば絶対にヒットしたと思うんだけどなぁ。
2001年9月15日鑑賞